プルラン
接着力・被膜性・潤滑性に優れた水溶性多糖
水飴を含む培地で微生物を培養することによって得られる水溶性の多糖です。
結着力が強く、造膜性に優れています。食品の接着、バインダー、可食性フィルムの基材のほか、冷凍食品のドリップ抑制、菓子の食感改良などにも利用されます。
水溶液は潤滑性に優れ、麺のほぐれ剤としても利用できます。
ブランド
ナガセヴィータ株式会社

製品情報
原材料名表示例
食品に使用した場合の原材料名表示です。
【添加物表示】
・増粘安定剤として使用した場合:増粘剤(プルラン)、安定剤(プルラン)、糊料(プルラン)
(プルランと他の多糖類を増粘安定剤として使用する場合は、「増粘多糖類」と一括表記できます。)
・製造用剤として使用した場合:プルラン
性状
白~淡黄白色の粉末で、においがないか又はわずかに特異なにおいがある
賞味期限
製造日より12ヶ月
保存条件
直射日光、高温多湿な場所を避け、室温で保存してください。
製品形態

10kg ダンボール箱入り(10kg ポリ袋×1)
10kg ダンボール箱入り(1kg ポリ袋×10)
※微粉品は10kg ポリ袋のみ
規格
乾燥減量 | 6.0%以下 |
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pH *¹ | 5.0~7.0 |
動粘度 | 100~180mm²/s(10wt%, 30℃) |
*1:10%水溶液を測定
栄養成分表
熱量 | 249kcal |
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たんぱく質 | 0g |
脂質 | 0g |
炭水化物(糖質) | 26.5g |
炭水化物(食物繊維) | 71.6g |
食塩相当量 | 0g |
(参考値)
特徴
基本物性
溶解性
プルランは、水に溶けやすく、エタノール(99.5)にはほとんど溶けません。
安定性
プルラン水溶液は、他の多糖類に比べ比較的低粘性でゲル化することがなく、弱酸性~中性を示します。pHや各種塩類の影響を受けにくいですが、pH3以下で長時間高温にさらすと粘度は低下します。
潤滑性・粘着性
プルラン水溶液は、ニュートン流体であり、低粘度にもかかわらず潤滑性・粘着性に優れています。食品にトロミを付与する際に役立ちます。
消化性
プルランは、各種消化酵素によって分解されにくく、エネルギー換算係数は2kcal/gとされています。
(平成27年3月30日消食表第139号消費者庁次長通知)
機能特性
付着性・粘着性
プルラン水溶液は、付着力が強く、単独または他の増粘剤やゲル化剤と併用することで、浸透性が少なく滑らかで付着力の強い製品に仕上がります。ドレッシング等には疑似乳化作用を示し、タレ、調味液等への利用に適しています。
結着性
プルランは低粘度でありながら、結着性に優れた素材です。プルランをバインダーとして使用するとタブレットの流通時の欠けや割れを改善できます。
接着性
プルランの接着力は非常に強く、スプレーや塗布したのちに乾燥させることにより、食品(特に乾燥食品)を安定に接着します。
接着性の応用例
プルランはクッキーのナッツ、米菓の海苔、バンズのゴマなど様々な素材を強力に接着します。
被膜性・造膜性
プルランは被膜性に優れているため、食品や金属等の表面を容易にコーティングできます。また、無色透明な可食性のフィルムができます。プルランフィルムは、水溶性で、保香性、耐油性、非帯電性、印刷適性などの特性をもっています。フィルム製造時にゲル化剤を併用することにより溶解速度を調整できます。また、各種の食品を練りこんだフィルム状の商品開発も可能です。
低酸素透過性
プルランフィルムは、低い酸素透過性を示します。
保水性
プルランは少量添加で、保水性や歩留りが向上します。
利用例
用途 | 結着・脱落抑制 | 造粒バインダー・コーティングバインダー | フィルム形成 | 食感改良 | 気泡の安定化・生地の安定化 |
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利用例 | クッキー、結着菓子、煎餅 | 顆粒、錠剤 、錠菓、タブレット、粉末飲料、糖衣 | フィルム状食品、シート状食品 | 餡、ソフトキャンディ | スポンジ、チーズケーキ、米粉焼き菓子 |
効果 | クッキーの上にのせるナッツや煎餅の海苔の接着性が向上します。素材同士を結着させたお菓子の開発が可能です。 | アラビアガムに比べて結着性に優れるためバインダーに利用すると、顆粒の粉化防止や錠剤の割れや欠け防止に役立ちます。ひび割れの少ない糖衣を形成します。 | 被膜性に優れ、無色透明な可食フィルムができます。ゼラチンを使わないプラントベースのフィルム状/シート状食品ができます。 | 餡がしっとりなめらかに仕上がります。ソフトキャンディの歯付きが少なくなり、チューイング性が高くなります。 | スポンジのキメが細かくなり、浮きもよくなります。粘り気のない米粉に粘りを与え、生地の繋がりがよくなります。 |
用途 | 付着性・トロミ付与 | ほぐれ改善 | 氷グレーズ | ドリップ抑制 |
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利用例 | タレ(蒲焼き、焼鳥、照り焼き)、ドレッシング、介護食・医療食 | 麺、米飯 | エビ、カニなどの水産加工品 | 冷凍食品(卵焼き) |
効果 | タレに使うと、粘度を著しく上げることなく、付着性に優れたタレを作ることができます。介護食・医療食のとろみ付けにも利用できます。 | 茹で麺の麺同士のくっつきを抑え、ほぐれやすくなります。また麺のツヤもよくなります。米飯がほぐれやすくなります。 | 適度な粘度を付与できるので、割れにくい氷グレーズができます。 | 解凍時のドリップが抑えられ、食感が保たれます。 |